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新着情報―聖学院中学校・高等学校―

2015/6/4

タイ研修旅行④「一生の経験とするために」

タイ研修旅行ではメーコックファームでの社会貢献活動や山岳民族の村でのホームステイの他、市街地での散策や交流も行われます。


タイ・ミャンマーの国境 メコン川を挟んで


日程の前半ではナイトバザールの散策や国境地帯の見学などを行います。


メコン川を遡上して国境地帯を散策します






後半ではメーコックファーム近くの公園でフリーマーケットに出店します。日本より持ち寄った古着や腕時計、水筒、弁当箱、文具などを販売しました。聖学院の生徒たちはファームの子どもたちと共同で店員となり、値段交渉や呼び込みを行いました。



伊藤教諭 最初は珍しいからみんな集まってきて結構売れたんですけど、1時間くらい経つと飽きられちゃって。客足が止まったところで、戸邊先生が生徒たちに自分から行ってきなさいって。古着や弁当箱と水筒がすごく売れました。

初体験の呼び込みを行う中で、突然商才に目覚める生徒もいたそうです。最終的には1万バーツ(約3万6千円)超を売り上げました。日本では経験できないことに臆することなく全力で挑戦する。これも研修旅行の目的の一つです。


旅行終了〜第二の始まり


メーコックファームの子どもたちと共同で作ったキャンドル


研修旅行はその日程限りで終わるものではありません。帰国して以降のフィードバックは丁寧に行い、事前準備から約1年をかけて初めて全ての行程が完了となります。
2月には参加生徒の保護者を集めての報告会が開催されました。

伊藤教諭 せっかく高いお金を支払っていただいて旅に出させてもらったので、どんな学びをしてきたかを報告しようと、そういう会を毎年やっています。何部門かあるのですが、今年は全員に発言するチャンスを作ろうと考えました。2つのグループがスライドを使ったプレゼンテーションを行い、内容はメーコックファームの紹介と、アカ族の村レポート。それ以外に5人並べて1人ずつボードを持たせて、お題に沿った回答を挙げてもらい、それについて1分間スピーチをするというのをやりました。
あとボランティア活動に興味を持ち始める子が多くなるので、外部のボランティア団体を招いて、活動の紹介をしてもらいました。何人かは現在活動してる子もいます。

そして11月の記念祭(文化祭)に向けて、フィードバックしたレポートなどをまとめた本を作成します。

伊藤教諭 販売して利益をメーコック財団に還元します。これが結構大変で、お金を出して買ってもらうので、それなりのものを作らないと。お情けで買ってもらうのは嫌ですから。今まで編集は自分一人でやっていたのですが、今年は編集に興味ある生徒がいて、彼らが全部やってくれることになりました。コンピュータの使い方とか僕より全然上手い。毎日僕の所に来てうるさいんです(笑)。あと展示発表もあります。研修旅行ってたった10日間ですけど、活動してる期間は1年間になります。
戸邉校長 信じられないくらい成長しますよ。発表してるのを聞いたりしてると本当にびっくりします。これから聖学院をリードしてくれれば一番良いですね。




鶴井君 メーコックの子たちを見てると全部自分のことは自分でやるんですよ。現地でもすごくもてなしてくれたし、自分のことは全部自分でやっている。それも一部の人ではなくみんながそうだったので、自分は恵まれていると気付きました。これからは色んなことにもっとありがたみを持って、人が好んでやらないことも率先してやってみようと思います。
菊池君 僕は一昨年参加する前は、部活にもあまり行かない時期もあったんですが、ちゃんと行くようになりました。タイに行ったことを忘れた日があまりなくて、ほんとに毎日覚えていたくらい楽しくて、意識して頑張んなきゃなと思いました。
千葉君 考え方が変わりました。タイに行く前は私生活もだらけていたんですけれど、今まで自分が当たり前のようにしてきたことや考えてきたことが壊されたというか。これからどうしようかとか将来について考えるようになったり、物事について深く考えるようになりました。


交流から貢献へ。
アジアを知ること。


今回の研修旅行のテーマは「Work Hard!」。しかし振り返った時に、完遂できなかったという心残りがあるそうです。

千葉君 結局考えてるうちにそのまま終わってしまって。来年行く時はプランを立てておいてから現地に行って実行したいと思っています。
伊藤教諭 交流中心のプログラムがずっと続く中で、今年は貢献したいと決めて力仕事いっぱいやるぞという気持ちで行ったのですが、メーコックファームの施設がほぼ完成された感じで、僕らがぽっと行ってできる仕事がなかなかなかった。
菊池君 個人的に思っているのは、楽しませてもらってるから、こっちからも楽しませなければいけないなと。特技を何か作らなきゃなと考えています。あと英語でずっと会話してるっていうのが、お互いに合わせているという気遣いがあって、タイ語をもっと勉強してしゃべれるようになりたいなと思います。
伊藤教諭 僕も毎年引率してて、この子たちにもてなされてばかりじゃ嫌だなと。同じですね(笑)。そういう気持ちになりますよ。

こうした反省を踏まえ、30周年を間近にしてなお変化を恐れず更なる向上を目指す点が、聖学院のタイ研修旅行がオンリーワンの企画であり続ける理由です。

菊池君たちは、今でも毎日のように当時の話をするそうです。そしてまた今年も参加したいと笑顔を見せます。

菊池君 次回もみんなで行こうと話していて。楽しくて。僕はメーコックファームの中で子ども達と遊んだりしたことが一番印象深いです。
戸邉校長 彼は帰る時1時間半くらい泣いていましたから。
菊池君 高1はほとんどが泣いていました。中3の時はまた来年も行けばいいやという感覚だったんですけど、今回は前に一緒だった先輩たちが忙しくて来れなくなっちゃったので、自分もこれが最後になるかもしれないと思って。個人的にはメーコックファームにいる時間が好きなので、次回もそこに長くいたいなと思います
千葉君 僕はメーコックも好きなんですけど、地理とかそういう分野が好きで、ラオスであったりミャンマーであったり、もっと他の国について知りたいなとずっと昔から思ってたので行ってみたいです。

そして激しく動き続けているアジア各国の動向を肌で感じるプログラムも計画中です。

伊藤教諭 今考えているのは、次回はラオスに渡ってみたいなと。メコン川のタイ側とラオス側と、国境線なんですけれど、両側から見てみようと考えています。90年代後半では「タイ・ラオス研修旅行」と呼んでやっていたんです。メーコックとの交流・貢献も大事にしつつ、国際社会を感じる、アジアの社会を感じるという面でも入れていきたいですね。
戸邉校長 ラオスはタイと生活感覚がちょっとまた違うんですよね。日本企業が今ラオスに入っていって、加速度的ですから。これからメコンの流域はすごいですよ。中国からずっとマレーシア・シンガポールまで行く道ができあがり、さらにインドにまで行く道ができる。どんどん変わる。知らないというと日本人はどんどん置いてきぼりになってしまう。食い込んでいかないと面白くない。国際的な流れというのを聖学院の生徒に早く知ってもらいたいですね。

そしてこの研修旅行は将来の目標へも大きな影響を与えています。

菊池君 僕は子供が好きなので、大学では教育を学びたいと思っています。それと、大学を一回休学してタイに行っている先輩がいるんですが、休学という形でメーコックファームに行ってというのもいいかなと思い始めていて。向こうで何でもできる、とにかく役に立てるようになりたいです。
千葉君 僕は元々東日本大震災で被災して東京に来て聖学院に入ったこともあり、それで地域医療に携わる仕事を元々したくて。タイも地方と都市部で格差がすごいということを研修中感じて、将来的には何かそういう地方に携われるような仕事をしたいと深く感じました。地方から都市部との格差を和らげられるように、どんな仕事であってもそういうことをやりたいなと考えています。

まさしく「人生を変える体験」となっている聖学院のタイ研修旅行。毎年記念祭で販売するレポート集は、参加した生徒たちの成長の軌跡としても、そして1冊の本としても非常に完成度の高いものになっています。興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。




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