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新着情報―聖学院中学校・高等学校―

2015/5/27

タイ研修旅行③「アカ族の村へ」

タイ最北部チェンライの中でも更に北、メーコックファームより車で約2時間の距離にアカ族の集落、ホイナグムン村はあります。聖学院の生徒たちは数日間ファームで過ごした後、この村でホームステイを行います。



「アカ」とは「川から遠く離れる」ことを意味する言葉で、かつて川沿いに暮らして伝染病にかかった経験から、先祖代々川から遠く離れた山間の急斜面に暮らすようになったと言われています。 アカ族は元々は中国雲南省やチベット出身であると考えられており、数十年前、中国で当時起きた革命から避難してタイやラオス、ミャンマーなどに住み着きました。そのため現在の雲南省に居住している民族を「ハニ族」、タイ北部周辺を「アカ族」と呼んでいますが出自は同じとされています。

戸邉治朗校長 タイは新しい国なので、国としてはまだ400年あるかないか、アメリカと同じくらい。そこへ避難してきたわけです。今はタイ政府もそれを認めて定住させています。学校も作り先生も派遣している。ただ自由にしなさいということで民族同化はしていない。国籍はだいぶ永住権を与えるようにしてきたけれど、まだなかなかもらえない人もいます。

その背景にあるのは、国内でのタイ人との交流の薄さです。

戸邉校長 谷一つ隔てると交流はもうほとんどないですね。バンコクの人たちは全く知らないし、言葉も分からないから偏見を持っている。アカ族は1年に1回しかお風呂入らないとか言うんだけど、そんなことはない。暑い時は1日3回入ってるくらい。だからタイの大学生など、影響力のある人たちににどんどん知らせないといけない。メーコックには去年の11月、バンコクのチュラロンコン大学の学生が来ました。

こういった地域へホームステイする目的を、戸邉校長はこう語ります。

戸邉校長 日本と文化的に一番距離があるところというのが理由です。知人がいるのでその人の紹介で。その知人もアカ族なんですよ。その人もアカ族の子供やアカ族の人を助ける仕事をしていて、同じ民族の人がサポートをしようとしてるというのは本当に珍しい。その人と親しいので生徒たちが泊まる所を世話をしてもらっています。

この紛うことなき異文化体験は驚きの連続です。ホームステイは2~3人が1つの家に宿泊しますが、まずその家の造りから異文化を知ることになります。

その生活


アカ族の住居


菊池君 ほんとに単純に言っちゃうと原始的。縄文時代じゃないですけど、そういう感じのいわゆる高床式で、木だけで作ってあって、入口が階段を上がったところにあるんです。

しかし純粋文化という意味での驚きだけではありません。

鶴井君 中に入るとまず大きなテレビがある。電気が通ってるんです。
菊池君 一昨年行ったときはソーラーパネルだけで、電球も1つか2つついているだけで、5分くらいでビーって鳴って切れちゃうような感じで、火の明るさだけの生活でした。でも今回は夜もずっとつけっぱなしだったのですが大丈夫で、電気を最大限使ってるなって感じ。車も一昨年はそんなに見かけた覚えはなかったんですが、たくさんあって。ほんとにびっくりしました。

毎年訪れることで、こうした急速な文化の推移を肌で実感することになります。訪問した瞬間だけではなく時間軸と絡めて捉えることで、固定したイメージではなく、自分たちの生活と同じく、今も生き続けている文化として理解することができるのです。



食事もまたタイの都市部とは異なります。

菊池君 正直に言いますと、一昨年は鶏肉やサラダとか、家庭的なものでおいしかったんですけど、今回はパクチーを入れたスープにゼンマイみたいなものを浸したものが出てきたりと、緑が多かったです。慣れてなかったので喉につっかえてしまう感じでした。でもご飯がおいしくて。
戸邉校長 あそこの米はカオドーイ(カオ・ドイ)と言って山の米なんですよ。非常に高価で、タイ人もなかなか食べられない。他にもタケノコや野菜、豚や鳥の卵を売って生計を立てています。
アカ族は全体では20万人ほどです。集落は小さいものがタイやラオスやミャンマーにいっぱいありますが、日本の2〜4倍くらいの広い所にばらばらに居住しているので、ごく僅かしかいないことになります。隣が歩いて1日かかるとかそういうところですから。歩いてしか行けない所もあるし、バイクでしか行けない所もある。

また、周辺には病院がなく、ほとんどが無医村です。

戸邉校長 予防のための生薬をいっぱい知ってるから、実際はそんな大きな病気にかからないんです。思った程悲惨ではない。ただ子どもがちょっとかわいそう。小児科だけは必要かな。
伊藤教諭 治療費だって払えないし、僕が泊まったうちも小さい時にお子さん2人を亡くしていました。
戸邉校長 3年ほど前に行った生徒が、無医村だからこういう所のための医者になろうと言って、今は医学部に通っています。

交流



アカ族の主要言語はアカ語です。文法的には日本語に近く、タイ語とは分類が異なります。

伊藤教諭 メーコックの中はタイ語なので挨拶は「サワディカップ」。アカ族の村ではタイ語はあまり通じないので、「ウドゥタマ」と言ってました。

しかし言葉の通じない中でもメーコックファームの子どもたちとの交流とはまた違った交流ができたといいます。

鶴井君 ほんとにサンキューやOKもわからないし、行く前はどうするんだろうと思ったけど、そんな心配もなくて。身振り手振りで何でも伝わる。子供たちがメーコックよりもっと活発で。言葉が通じなくてもすごく遊びました。
菊池君 話さなくても通じるものがあるよね。
千葉君 笑顔かな。通じる理由は。
鶴井君 楽しいんですよね。もしかしたら通じてないのかもしれないですけど、楽しさが伝わってくる。それでいいのだと思います。








こうした貴重な体験を終えた後、再びメーコックファームへと戻ります。




次回はファーム外での活動や、その後のフィードバックなど事後活動をお伝えします。

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