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新着情報―聖学院中学校・高等学校―

2015/5/13

タイ研修旅行①「研ぎ澄まされた異文化交流」

2014年12月21日から10日間、聖学院ではタイ研修旅行を行いました。
同校の年末の風物詩とも言えるこの行事、今回は中3から高2まで、総勢28名が参加しました。


滞在先の子どもたちと行ったキャンドル作りのワークショップ


一般的な語学研修とは異なり、学校が主体となって研鑽を重ね、きわめて内容の濃い、聖学院独自の取り組みとなっているこの研修。その模様を3回に分けて連載します。


近年国際的にますます注目度が高まっているタイ。聖学院では早くからその動向に注目し、研修旅行は今年で28年目を迎えます。

戸邉治朗校長 40年くらい前、日本の企業が毎週何百とタイに流れていき、産業の空洞化と呼ばれた、そういう動きがあることを早く高校生に伝えたかった。現場を見てもらいたいなと思ったのが最初の狙いです。

多くの日本企業が進出し、現地の労働者たちが安い賃金で雇用されている。メディアを通じて数字として知ることはあっても、その実態はわからない。こうした状況を早く体感することで、将来の方向性や選択肢に鮮烈な価値観が生まれます。この研修旅行を経験した卒業生の中からは、海外大学に進学したり、起業した人々も数多くいるそうです。

今回は、この研修旅行の創案者である戸邉治朗校長、企画・引率の伊藤豊教諭、参加した菊池裕士君、千葉隆広君、鶴井健士郎君(共に高2・参加時高1)にお話を伺いました。


概要

10日間の研修内容は大きく3つに分かれます。

1 メーコックファームにて少数民族の子どもたちとの交流、社会奉仕活動⇒タイ研修旅行②
2 アカ族の村へのホームステイ⇒タイ研修旅行③
3 タイ市街地や国境地帯などの散策⇒タイ研修旅行④

活動拠点となるメーコックファームは、タイ北部チェンライ県にある養育施設で、2003年に「メーコック財団」として設立されました。それ以前は、付近の山岳民族を中心に蔓延していた麻薬の治療施設でした。戸邉校長はその設立メンバーの1人で、現在も毎年メーコックファームを訪れ、子どもたちの自立支援に奔走しています。

戸邉校長 当時その地域の村のほとんどの人がアヘンを吸っていたんです。それで子供の面倒を見なかったりするから、ファームの初代総主事が、麻薬をなんとか辞めさせる方法を考えたいと、そこでそういう施設を作ることになりました。

以来、総合的なトレーニングセンターを作り、麻薬を辞めさせ、職業訓練をした後村へ返す活動を行い、6年後にはほどんどの麻薬を無くすことに成功しました。その後、タイ政府認可の下、「メーコック財団」として新たに現在の養育施設が作られることになったのです。


インタビューは校長室に集まり、座談会のような雰囲気で進行しました


戸邉校長 親たちを村に返したときに、体調が良くなくて、育てられないということで残された子どもたちがいるわけです。それで引き取ることにしたり。あと日本のテレビが来たために村が2つ無くなってしまった。この人にはお金をあげる、この人にはあげないというので、村の人達が住んでて気持ちよくなくなってしまい、出て行ったんです。そこに残された子供たちを引き受けたりして、その子たちも今はもう大学生になりました。

こうした経緯から、ごく一般的な海外研修とは異なり、現地の労働、社会情勢、経済活動など、生活に密着した経験が、聖学院のタイ研修旅行の特徴となっています。高校卒業後ファームに滞在し、様々な仕事をこなしながらタイの大学を卒業した生徒もいるなど、一時期に留まらない活発な交流がこの研修旅行から生まれており、新たな世代へと受け継がれる動きは今も続いています。


参加理由

この研修旅行には毎年多くの生徒が参加していますが、その動機として特徴的なのが、先輩や同級生からの勧めが多いこと、そしてリピーターが多いことが挙げられます。


ナイトバザールの様子

鶴井君 親の勧めもあるのですが、菊池君に「すごく楽しいから」と誘われて。でも自分はそれまで日本から出たことが無くて、当日成田に行く寸前まで緊張してたんです。でもメーコックに入る前、初日にチェンマイのナイトバザールに行ったのですが、現地の大人の方は大体が英語が通じるので、値段交渉したり、コミュニケーションが取れたことはすごく嬉しかったですね。
菊池君 僕は一昨年も参加したんですが、元々の動機としては、アジアについて日本しか知らなかったので、他の国はどういう経済状況で、どんな人がいるのか興味があったんです。それでも行く前は治安が悪いとか、あまりきれいじゃない印象があり、行きたくないなという気持ちがありました。でも同じ部活の先輩にすでに行った人がいて、話を聞くと全然不自由も無くとても楽しいということで行きたくなりました。そして行ってみたらまた行きたいとなって。

また保護者からの関心も高く、積極的に後押しする家庭も増えています。

千葉君 僕は元々親に無理やり行かされたんです(笑)。うちの親は積極的に外に出るように仕向けるので、それで参加することになったんですが、実際行ってみるとすごく刺激を得られるんですよ。自分が生きてきた空間にしか今までいたことがなかったので、普段見たことの無いものから刺激を得ることができる。人間的に成長できるなと感じました。
戸邉校長 (保護者の関心が高まっているのは)家に帰って報告する生徒の姿が実に活き活きしてるからでしょうね。また行きたいってみんなそう言うから。


左から千葉隆広君、菊池裕士君               鶴井健士郎君、伊藤豊教諭



出発前には事前学習を行います。メーコックファームの概要や語学学習など予備知識の他、チームビルディングを中心に、研修が有意義なものとなるための活動をしっかりと行います。

伊藤教諭 向こうに行って開放的な気持ちになり、今まで日本ではできなかったことにチャレンジしてもらいたい。チャレンジするためには失敗しても見逃してもらえるような関係性を作っていった方がチャレンジしやすいので、そのための準備をします。学年もクラスも背景もみんな違う、動機の違う子たちの集まりなので、メンバー同士のつながりを作れるように意識していますね。

次回より現地での活動をお伝えします。

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