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新着情報―聖学院中学校・高等学校―

2015/6/4

タイ研修旅行④「一生の経験とするために」

タイ研修旅行ではメーコックファームでの社会貢献活動や山岳民族の村でのホームステイの他、市街地での散策や交流も行われます。


タイ・ミャンマーの国境 メコン川を挟んで


日程の前半ではナイトバザールの散策や国境地帯の見学などを行います。


メコン川を遡上して国境地帯を散策します






後半ではメーコックファーム近くの公園でフリーマーケットに出店します。日本より持ち寄った古着や腕時計、水筒、弁当箱、文具などを販売しました。聖学院の生徒たちはファームの子どもたちと共同で店員となり、値段交渉や呼び込みを行いました。



伊藤教諭 最初は珍しいからみんな集まってきて結構売れたんですけど、1時間くらい経つと飽きられちゃって。客足が止まったところで、戸邊先生が生徒たちに自分から行ってきなさいって。古着や弁当箱と水筒がすごく売れました。

初体験の呼び込みを行う中で、突然商才に目覚める生徒もいたそうです。最終的には1万バーツ(約3万6千円)超を売り上げました。日本では経験できないことに臆することなく全力で挑戦する。これも研修旅行の目的の一つです。


旅行終了〜第二の始まり


メーコックファームの子どもたちと共同で作ったキャンドル


研修旅行はその日程限りで終わるものではありません。帰国して以降のフィードバックは丁寧に行い、事前準備から約1年をかけて初めて全ての行程が完了となります。
2月には参加生徒の保護者を集めての報告会が開催されました。

伊藤教諭 せっかく高いお金を支払っていただいて旅に出させてもらったので、どんな学びをしてきたかを報告しようと、そういう会を毎年やっています。何部門かあるのですが、今年は全員に発言するチャンスを作ろうと考えました。2つのグループがスライドを使ったプレゼンテーションを行い、内容はメーコックファームの紹介と、アカ族の村レポート。それ以外に5人並べて1人ずつボードを持たせて、お題に沿った回答を挙げてもらい、それについて1分間スピーチをするというのをやりました。
あとボランティア活動に興味を持ち始める子が多くなるので、外部のボランティア団体を招いて、活動の紹介をしてもらいました。何人かは現在活動してる子もいます。

そして11月の記念祭(文化祭)に向けて、フィードバックしたレポートなどをまとめた本を作成します。

伊藤教諭 販売して利益をメーコック財団に還元します。これが結構大変で、お金を出して買ってもらうので、それなりのものを作らないと。お情けで買ってもらうのは嫌ですから。今まで編集は自分一人でやっていたのですが、今年は編集に興味ある生徒がいて、彼らが全部やってくれることになりました。コンピュータの使い方とか僕より全然上手い。毎日僕の所に来てうるさいんです(笑)。あと展示発表もあります。研修旅行ってたった10日間ですけど、活動してる期間は1年間になります。
戸邉校長 信じられないくらい成長しますよ。発表してるのを聞いたりしてると本当にびっくりします。これから聖学院をリードしてくれれば一番良いですね。




鶴井君 メーコックの子たちを見てると全部自分のことは自分でやるんですよ。現地でもすごくもてなしてくれたし、自分のことは全部自分でやっている。それも一部の人ではなくみんながそうだったので、自分は恵まれていると気付きました。これからは色んなことにもっとありがたみを持って、人が好んでやらないことも率先してやってみようと思います。
菊池君 僕は一昨年参加する前は、部活にもあまり行かない時期もあったんですが、ちゃんと行くようになりました。タイに行ったことを忘れた日があまりなくて、ほんとに毎日覚えていたくらい楽しくて、意識して頑張んなきゃなと思いました。
千葉君 考え方が変わりました。タイに行く前は私生活もだらけていたんですけれど、今まで自分が当たり前のようにしてきたことや考えてきたことが壊されたというか。これからどうしようかとか将来について考えるようになったり、物事について深く考えるようになりました。


交流から貢献へ。
アジアを知ること。


今回の研修旅行のテーマは「Work Hard!」。しかし振り返った時に、完遂できなかったという心残りがあるそうです。

千葉君 結局考えてるうちにそのまま終わってしまって。来年行く時はプランを立てておいてから現地に行って実行したいと思っています。
伊藤教諭 交流中心のプログラムがずっと続く中で、今年は貢献したいと決めて力仕事いっぱいやるぞという気持ちで行ったのですが、メーコックファームの施設がほぼ完成された感じで、僕らがぽっと行ってできる仕事がなかなかなかった。
菊池君 個人的に思っているのは、楽しませてもらってるから、こっちからも楽しませなければいけないなと。特技を何か作らなきゃなと考えています。あと英語でずっと会話してるっていうのが、お互いに合わせているという気遣いがあって、タイ語をもっと勉強してしゃべれるようになりたいなと思います。
伊藤教諭 僕も毎年引率してて、この子たちにもてなされてばかりじゃ嫌だなと。同じですね(笑)。そういう気持ちになりますよ。

こうした反省を踏まえ、30周年を間近にしてなお変化を恐れず更なる向上を目指す点が、聖学院のタイ研修旅行がオンリーワンの企画であり続ける理由です。

菊池君たちは、今でも毎日のように当時の話をするそうです。そしてまた今年も参加したいと笑顔を見せます。

菊池君 次回もみんなで行こうと話していて。楽しくて。僕はメーコックファームの中で子ども達と遊んだりしたことが一番印象深いです。
戸邉校長 彼は帰る時1時間半くらい泣いていましたから。
菊池君 高1はほとんどが泣いていました。中3の時はまた来年も行けばいいやという感覚だったんですけど、今回は前に一緒だった先輩たちが忙しくて来れなくなっちゃったので、自分もこれが最後になるかもしれないと思って。個人的にはメーコックファームにいる時間が好きなので、次回もそこに長くいたいなと思います
千葉君 僕はメーコックも好きなんですけど、地理とかそういう分野が好きで、ラオスであったりミャンマーであったり、もっと他の国について知りたいなとずっと昔から思ってたので行ってみたいです。

そして激しく動き続けているアジア各国の動向を肌で感じるプログラムも計画中です。

伊藤教諭 今考えているのは、次回はラオスに渡ってみたいなと。メコン川のタイ側とラオス側と、国境線なんですけれど、両側から見てみようと考えています。90年代後半では「タイ・ラオス研修旅行」と呼んでやっていたんです。メーコックとの交流・貢献も大事にしつつ、国際社会を感じる、アジアの社会を感じるという面でも入れていきたいですね。
戸邉校長 ラオスはタイと生活感覚がちょっとまた違うんですよね。日本企業が今ラオスに入っていって、加速度的ですから。これからメコンの流域はすごいですよ。中国からずっとマレーシア・シンガポールまで行く道ができあがり、さらにインドにまで行く道ができる。どんどん変わる。知らないというと日本人はどんどん置いてきぼりになってしまう。食い込んでいかないと面白くない。国際的な流れというのを聖学院の生徒に早く知ってもらいたいですね。

そしてこの研修旅行は将来の目標へも大きな影響を与えています。

菊池君 僕は子供が好きなので、大学では教育を学びたいと思っています。それと、大学を一回休学してタイに行っている先輩がいるんですが、休学という形でメーコックファームに行ってというのもいいかなと思い始めていて。向こうで何でもできる、とにかく役に立てるようになりたいです。
千葉君 僕は元々東日本大震災で被災して東京に来て聖学院に入ったこともあり、それで地域医療に携わる仕事を元々したくて。タイも地方と都市部で格差がすごいということを研修中感じて、将来的には何かそういう地方に携われるような仕事をしたいと深く感じました。地方から都市部との格差を和らげられるように、どんな仕事であってもそういうことをやりたいなと考えています。

まさしく「人生を変える体験」となっている聖学院のタイ研修旅行。毎年記念祭で販売するレポート集は、参加した生徒たちの成長の軌跡としても、そして1冊の本としても非常に完成度の高いものになっています。興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。




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2015/5/27

タイ研修旅行③「アカ族の村へ」

タイ最北部チェンライの中でも更に北、メーコックファームより車で約2時間の距離にアカ族の集落、ホイナグムン村はあります。聖学院の生徒たちは数日間ファームで過ごした後、この村でホームステイを行います。



「アカ」とは「川から遠く離れる」ことを意味する言葉で、かつて川沿いに暮らして伝染病にかかった経験から、先祖代々川から遠く離れた山間の急斜面に暮らすようになったと言われています。 アカ族は元々は中国雲南省やチベット出身であると考えられており、数十年前、中国で当時起きた革命から避難してタイやラオス、ミャンマーなどに住み着きました。そのため現在の雲南省に居住している民族を「ハニ族」、タイ北部周辺を「アカ族」と呼んでいますが出自は同じとされています。

戸邉治朗校長 タイは新しい国なので、国としてはまだ400年あるかないか、アメリカと同じくらい。そこへ避難してきたわけです。今はタイ政府もそれを認めて定住させています。学校も作り先生も派遣している。ただ自由にしなさいということで民族同化はしていない。国籍はだいぶ永住権を与えるようにしてきたけれど、まだなかなかもらえない人もいます。

その背景にあるのは、国内でのタイ人との交流の薄さです。

戸邉校長 谷一つ隔てると交流はもうほとんどないですね。バンコクの人たちは全く知らないし、言葉も分からないから偏見を持っている。アカ族は1年に1回しかお風呂入らないとか言うんだけど、そんなことはない。暑い時は1日3回入ってるくらい。だからタイの大学生など、影響力のある人たちににどんどん知らせないといけない。メーコックには去年の11月、バンコクのチュラロンコン大学の学生が来ました。

こういった地域へホームステイする目的を、戸邉校長はこう語ります。

戸邉校長 日本と文化的に一番距離があるところというのが理由です。知人がいるのでその人の紹介で。その知人もアカ族なんですよ。その人もアカ族の子供やアカ族の人を助ける仕事をしていて、同じ民族の人がサポートをしようとしてるというのは本当に珍しい。その人と親しいので生徒たちが泊まる所を世話をしてもらっています。

この紛うことなき異文化体験は驚きの連続です。ホームステイは2~3人が1つの家に宿泊しますが、まずその家の造りから異文化を知ることになります。

その生活


アカ族の住居


菊池君 ほんとに単純に言っちゃうと原始的。縄文時代じゃないですけど、そういう感じのいわゆる高床式で、木だけで作ってあって、入口が階段を上がったところにあるんです。

しかし純粋文化という意味での驚きだけではありません。

鶴井君 中に入るとまず大きなテレビがある。電気が通ってるんです。
菊池君 一昨年行ったときはソーラーパネルだけで、電球も1つか2つついているだけで、5分くらいでビーって鳴って切れちゃうような感じで、火の明るさだけの生活でした。でも今回は夜もずっとつけっぱなしだったのですが大丈夫で、電気を最大限使ってるなって感じ。車も一昨年はそんなに見かけた覚えはなかったんですが、たくさんあって。ほんとにびっくりしました。

毎年訪れることで、こうした急速な文化の推移を肌で実感することになります。訪問した瞬間だけではなく時間軸と絡めて捉えることで、固定したイメージではなく、自分たちの生活と同じく、今も生き続けている文化として理解することができるのです。



食事もまたタイの都市部とは異なります。

菊池君 正直に言いますと、一昨年は鶏肉やサラダとか、家庭的なものでおいしかったんですけど、今回はパクチーを入れたスープにゼンマイみたいなものを浸したものが出てきたりと、緑が多かったです。慣れてなかったので喉につっかえてしまう感じでした。でもご飯がおいしくて。
戸邉校長 あそこの米はカオドーイ(カオ・ドイ)と言って山の米なんですよ。非常に高価で、タイ人もなかなか食べられない。他にもタケノコや野菜、豚や鳥の卵を売って生計を立てています。
アカ族は全体では20万人ほどです。集落は小さいものがタイやラオスやミャンマーにいっぱいありますが、日本の2〜4倍くらいの広い所にばらばらに居住しているので、ごく僅かしかいないことになります。隣が歩いて1日かかるとかそういうところですから。歩いてしか行けない所もあるし、バイクでしか行けない所もある。

また、周辺には病院がなく、ほとんどが無医村です。

戸邉校長 予防のための生薬をいっぱい知ってるから、実際はそんな大きな病気にかからないんです。思った程悲惨ではない。ただ子どもがちょっとかわいそう。小児科だけは必要かな。
伊藤教諭 治療費だって払えないし、僕が泊まったうちも小さい時にお子さん2人を亡くしていました。
戸邉校長 3年ほど前に行った生徒が、無医村だからこういう所のための医者になろうと言って、今は医学部に通っています。

交流



アカ族の主要言語はアカ語です。文法的には日本語に近く、タイ語とは分類が異なります。

伊藤教諭 メーコックの中はタイ語なので挨拶は「サワディカップ」。アカ族の村ではタイ語はあまり通じないので、「ウドゥタマ」と言ってました。

しかし言葉の通じない中でもメーコックファームの子どもたちとの交流とはまた違った交流ができたといいます。

鶴井君 ほんとにサンキューやOKもわからないし、行く前はどうするんだろうと思ったけど、そんな心配もなくて。身振り手振りで何でも伝わる。子供たちがメーコックよりもっと活発で。言葉が通じなくてもすごく遊びました。
菊池君 話さなくても通じるものがあるよね。
千葉君 笑顔かな。通じる理由は。
鶴井君 楽しいんですよね。もしかしたら通じてないのかもしれないですけど、楽しさが伝わってくる。それでいいのだと思います。








こうした貴重な体験を終えた後、再びメーコックファームへと戻ります。




次回はファーム外での活動や、その後のフィードバックなど事後活動をお伝えします。

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2015/5/20

タイ研修旅行②「メーコックファームでの出会い」


研修旅行の拠点となるメーコックファームは約1万坪の土地を有し、そこで宿泊しながら様々な活動を行います。


ファームには現在26人の子どもたちとスタッフ、世界中から集まるボランティアの人々が生活しており、聖学院のメンバーは、施設の補修などの社会奉仕活動をはじめ、ファームの子どもたちとの共同作業やスポーツなどを通じて交流を深めていきます。言葉は片言の英語とタイ語だけ。あとはボディランゲージを駆使して言葉の壁を越えていきます。


川沿いの堤防のペンキ塗り

菊池君 この堤防も過去のプロジェクトで作ったものです。そこをまず真っ白に塗り、現地の子どもたちと一緒に考えた原画を描きます。他にも手形つけて名前を書いたり、楽しかったです。


バナナの木の植樹

戸邉校長 バナナって1年草なんですよ。一回実が成ったものは成らないから、切って、それを今度植えておくとまた成るんですよ。これは商品になるんです。それでこの子達が穴を掘って埋めていった。穴掘るのってね、かなり大変なんです。簡単じゃないんですよ。
千葉君 メーコックファームの中に牧師さんがいるんですけど、その人がギターとか修理とかなんでもできる人で、その人が2~3人で持ち上げられなかったバナナの木を1人で持ち上げて。
戸邉校長 あそこにいる牧師は何でもやらなきゃならない。しゃべるのはちょっとで、大体肉体労働のほうが多い。朝、子どもたちを学校に送る大きいトラックがあるんですけれど、その運転手もしています。聖書の勉強や料理、建設から溶接から農業から、なんでもやります。

他にも、バドミントンや追いかけっこ、キャンドル作りのワークショップ、クリスマス礼拝など、時間の許す限り、一緒に過ごす時間を設け、交流を深めました。5~6歳の子が多く、英語を話せない子もいるので、実際に動きを見せ、覚えてもらいながら遊んだそうです。


クリスマス礼拝








鶴井君 僕は元々消極的で、子供たちも大勢いると聞いていたので、メーコックに入って最初はあまり馴染めなかったんです。でも10日間しかないから無駄にしたくないなと思い、自分の方から積極的にコミュニケーションをとっていきました。そうしたらちっちゃい子と仲良くなれて、成長できたと思います。
菊池君 一昨年初めて行った時は、楽しいとは聞いていたんですけどやはり不安で、どうしたらいいんだろうと思っていました。最初の2日間くらいはほぼただひたすら先輩に付いて歩いていたんですが、以前からマジックやスポーツを結構やっていたので、披露すると話しかけてくれたりして。やはり話しかけてくれると自信がつくので、それからはどんどん色んな人に話しかけていきました。

ファームの人々



千葉君 メーコックの子どもたちって、僕らと同じ16歳だとしても成長の過程が大きく違っていて、学校に通ってきた子供たちもいる一方で、学校に通えずに今から勉強するという子もいて、それぞれ違うんですよね。僕らは小学校・中学校・高校っていう風に決められた所で勉強や運動、部活動をして、教材など何もかもあるんですけど、向こうの人達は何をとっても自分の手で作り出したり、自分で考えて勉強している。僕らだったらあるものが無いっていう人が多くて、無いものから新しくものを創造していく。何でもできちゃう子もいたり、それぞれ特技もあったりして、そういうところを見ていると、僕らがすごく恵まれてるということと、環境に甘えてきているんじゃないかなと深く感じました。


トラックに乗って学校へ通学します


たとえば楽器。道具はピアノ、ギター、ドラムなど、様々なところから寄付されたものがそろっています。しかし使い方に関しては自己流で覚えていかなければなりません。それでも自分の頭で考え、試行錯誤をすることで、使いこなしている子が非常に多いそうです。また演奏できる子が卒業し、必要に迫られたことで、一昨年までピアノを弾けなかった子が礼拝の際にしっかりと伴奏できるようになっていたりと、学びが生活に密着している点も大きいようです。

また、先に触れたファームの牧師さんを筆頭に、そこで生活する人々は施設の補修から生活にまつわる様々なことまで、何でもこなします。

菊池君 筋トレで鍛えたんじゃなくて、物を運んだりといった日常の仕事で自然に付いた体をしてるんです。
戸邉校長 子供じゃないねあれは。みんないつも労働してるからすっごい体してる。体に芯が通って、スポーツをやって鍛えたレベルの体じゃない。メンタルも強いですよ。今1人OBが大学を休学してメーコックに行ってるんですよ。もう帰ってくるんですが、何でもできるようになって。筋肉もたくましくなり、マッチョになっちゃった。
伊藤教諭 たぶんみんなも1年もいれば、いろんなことができるようになりそうだよね。

しかし進路は決してやさしいものではありません。学校へ行っても教育環境は十分ではなく、多くの生徒は読み書き計算を習得してしまうと満足して遊びに興じ、動物も入り込むので「遊園地みたいになっちゃってる」(戸邉校長)そうです。それでも優秀な子は町の中学校に進学するのですが、メーコックの子どもたちは高校にはスポンサーがつくか、無料の学校でなければ進むのは難しいそうです。

戸邉校長 メーコック関係の子では3人行きました。農業高校です。ちゃんとした技術を持っているし勉強できるから、その子たちはもしかしたら事業を自立して何かやれるかもしれない。そういう意味では日本の子供たちよりちょっと進路は明確かもしれないです。大学に行ってる子もいます。チェンライという町で、10万人くらいの土地なんですけれど、そこに行くまでは誰かサポートしないと行くのは難しい。

親がいてもしっかりとした家業があるわけではなく、所在すら不明の場合もある。その中で早期から自立の道を模索し、手に職を付ける努力を怠らない。そういった同世代や年少のファームの子どもたちとの触れ合いは、聖学院の生徒たちにとって大きな刺激となっています。






次回はアカ族の村ホームステイの模様をお伝えします。日本とは大きく隔たった異文化を知る上でも貴重な写真の数々は必見です。



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2015/5/13

タイ研修旅行①「研ぎ澄まされた異文化交流」

2014年12月21日から10日間、聖学院ではタイ研修旅行を行いました。
同校の年末の風物詩とも言えるこの行事、今回は中3から高2まで、総勢28名が参加しました。


滞在先の子どもたちと行ったキャンドル作りのワークショップ


一般的な語学研修とは異なり、学校が主体となって研鑽を重ね、きわめて内容の濃い、聖学院独自の取り組みとなっているこの研修。その模様を3回に分けて連載します。


近年国際的にますます注目度が高まっているタイ。聖学院では早くからその動向に注目し、研修旅行は今年で28年目を迎えます。

戸邉治朗校長 40年くらい前、日本の企業が毎週何百とタイに流れていき、産業の空洞化と呼ばれた、そういう動きがあることを早く高校生に伝えたかった。現場を見てもらいたいなと思ったのが最初の狙いです。

多くの日本企業が進出し、現地の労働者たちが安い賃金で雇用されている。メディアを通じて数字として知ることはあっても、その実態はわからない。こうした状況を早く体感することで、将来の方向性や選択肢に鮮烈な価値観が生まれます。この研修旅行を経験した卒業生の中からは、海外大学に進学したり、起業した人々も数多くいるそうです。

今回は、この研修旅行の創案者である戸邉治朗校長、企画・引率の伊藤豊教諭、参加した菊池裕士君、千葉隆広君、鶴井健士郎君(共に高2・参加時高1)にお話を伺いました。


概要

10日間の研修内容は大きく3つに分かれます。

1 メーコックファームにて少数民族の子どもたちとの交流、社会奉仕活動⇒タイ研修旅行②
2 アカ族の村へのホームステイ⇒タイ研修旅行③
3 タイ市街地や国境地帯などの散策⇒タイ研修旅行④

活動拠点となるメーコックファームは、タイ北部チェンライ県にある養育施設で、2003年に「メーコック財団」として設立されました。それ以前は、付近の山岳民族を中心に蔓延していた麻薬の治療施設でした。戸邉校長はその設立メンバーの1人で、現在も毎年メーコックファームを訪れ、子どもたちの自立支援に奔走しています。

戸邉校長 当時その地域の村のほとんどの人がアヘンを吸っていたんです。それで子供の面倒を見なかったりするから、ファームの初代総主事が、麻薬をなんとか辞めさせる方法を考えたいと、そこでそういう施設を作ることになりました。

以来、総合的なトレーニングセンターを作り、麻薬を辞めさせ、職業訓練をした後村へ返す活動を行い、6年後にはほどんどの麻薬を無くすことに成功しました。その後、タイ政府認可の下、「メーコック財団」として新たに現在の養育施設が作られることになったのです。


インタビューは校長室に集まり、座談会のような雰囲気で進行しました


戸邉校長 親たちを村に返したときに、体調が良くなくて、育てられないということで残された子どもたちがいるわけです。それで引き取ることにしたり。あと日本のテレビが来たために村が2つ無くなってしまった。この人にはお金をあげる、この人にはあげないというので、村の人達が住んでて気持ちよくなくなってしまい、出て行ったんです。そこに残された子供たちを引き受けたりして、その子たちも今はもう大学生になりました。

こうした経緯から、ごく一般的な海外研修とは異なり、現地の労働、社会情勢、経済活動など、生活に密着した経験が、聖学院のタイ研修旅行の特徴となっています。高校卒業後ファームに滞在し、様々な仕事をこなしながらタイの大学を卒業した生徒もいるなど、一時期に留まらない活発な交流がこの研修旅行から生まれており、新たな世代へと受け継がれる動きは今も続いています。


参加理由

この研修旅行には毎年多くの生徒が参加していますが、その動機として特徴的なのが、先輩や同級生からの勧めが多いこと、そしてリピーターが多いことが挙げられます。


ナイトバザールの様子

鶴井君 親の勧めもあるのですが、菊池君に「すごく楽しいから」と誘われて。でも自分はそれまで日本から出たことが無くて、当日成田に行く寸前まで緊張してたんです。でもメーコックに入る前、初日にチェンマイのナイトバザールに行ったのですが、現地の大人の方は大体が英語が通じるので、値段交渉したり、コミュニケーションが取れたことはすごく嬉しかったですね。
菊池君 僕は一昨年も参加したんですが、元々の動機としては、アジアについて日本しか知らなかったので、他の国はどういう経済状況で、どんな人がいるのか興味があったんです。それでも行く前は治安が悪いとか、あまりきれいじゃない印象があり、行きたくないなという気持ちがありました。でも同じ部活の先輩にすでに行った人がいて、話を聞くと全然不自由も無くとても楽しいということで行きたくなりました。そして行ってみたらまた行きたいとなって。

また保護者からの関心も高く、積極的に後押しする家庭も増えています。

千葉君 僕は元々親に無理やり行かされたんです(笑)。うちの親は積極的に外に出るように仕向けるので、それで参加することになったんですが、実際行ってみるとすごく刺激を得られるんですよ。自分が生きてきた空間にしか今までいたことがなかったので、普段見たことの無いものから刺激を得ることができる。人間的に成長できるなと感じました。
戸邉校長 (保護者の関心が高まっているのは)家に帰って報告する生徒の姿が実に活き活きしてるからでしょうね。また行きたいってみんなそう言うから。


左から千葉隆広君、菊池裕士君               鶴井健士郎君、伊藤豊教諭



出発前には事前学習を行います。メーコックファームの概要や語学学習など予備知識の他、チームビルディングを中心に、研修が有意義なものとなるための活動をしっかりと行います。

伊藤教諭 向こうに行って開放的な気持ちになり、今まで日本ではできなかったことにチャレンジしてもらいたい。チャレンジするためには失敗しても見逃してもらえるような関係性を作っていった方がチャレンジしやすいので、そのための準備をします。学年もクラスも背景もみんな違う、動機の違う子たちの集まりなので、メンバー同士のつながりを作れるように意識していますね。

次回より現地での活動をお伝えします。

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2013/06/10

糸魚川で農家に民泊!中3農村体験学習

5月24日(金)~27日(月)にかけて、中学3年生が新潟県糸魚川市にて農村体験学習を行いました。 現地で、生徒たちは2~5名のグループに分かれて農家に民泊。


初めての耕耘機で土起こしのお手伝い




この地域の歴史について学びました




食事の支度も進んでお手伝い




糸魚川を通る“塩の道”について説明してもらいました



3日目には田植えを行いました。


JAひすい、東山ファームの方々にご協力いただきました




初めての田んぼの感想は「ヌルヌルして気持ち悪い(笑)」




田植えを通じて、お米をつくる大変さを体感しました




大自然の中で自然の恵みに感謝しました



この農業体験は今年で28回目。
「日本人の主食であるお米を通して世界を見る」を大きなテーマとして掲げ、生徒たちに世界の食糧問題を考えること、日本の農業の現状を知ること、そして何より日本の原点ともいえるこの土地を体感するとともに農家のあたたかさ、包容力にふれてほしい、との思いから始まりました。
現在では聖学院の、そして糸魚川市の恒例行事になっています。

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2013/02/19

聖学院マークの都電が走った!!

1月13日、鉄道研究部・旅と鉄道部では「都電貸切会」を実施いたしました。
高校生の部員が中心に企画・運営をし、荒川車庫→三ノ輪橋→早稲田→荒川車庫を往復しました。
下町から山の手と変化する車窓を楽しみ、部員相互の親睦を深めた時間を過ごすことができました。













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2012/11/30

クリスマスツリー点火式が行われました

11月22日(木)16:25~16:50 聖学院中高・講堂と「光と水の広場」にてクリスマスツリー点火式を実施しました。

約700名が参加し、とても和やかで温かい雰囲気の点火式となりました。聖学院小学校や幼稚園、保護者宗教委員会の皆様、教職員などの参加がありました。今年も聖学院中高ブラスバンド部の素晴らしい演奏や、小学校のハンドベル、保護者による讃美歌など、多くの方のご協力があり、素敵な時を過ごすことができました。皆様の上に神様の豊かな祝福と平安がありますように、心からお祈りいたします。













受験生の皆様へ

クリスマスまであと1ケ月ですね。
キリスト教では、クリスマスはイエス・キリストがお生まれになった大切な時として覚えています。クリスマスまでの約1ケ月を毎夕から夜にかけて、校内のモミの木にイルミネーションを灯し、人々の心の中にも光が届きますようにとの思いを込めて点灯します。(16:00~22:00)
是非、本校のクリスマスイルミネーションをご覧になってください。

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2012/09/20

プロジェクトマネジメント 蝶ヶ岳可視化プロジェクト

9月15日(土)、プロジェクトマネジメント・インキュベーションの方をお招きし、 プロジェクトマネジメントについてレクチャーをしていただきました。
蝶ヶ岳可視化プロジェクトのメンバーは中学2年生を中心としていますが、2時間という長丁場にもかかわらず、 全員が集中し聞き入っていました。

今回のプロジェクトは、登山の際に撮影した写真とGPSのログをgoogle mapに落とし込む作業と レゴで蝶ヶ岳のジオラマを作る作業をします。
今日のプロジェクトの定義から始まり、 ワークブレイクダウンストラクチャー、役割分担の作成にあたりました。













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