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新着情報―山脇学園中学校・高等学校―

2014/8/18

SIクラブ 国際舞台に立つ

7月12日(土)、東京海洋大学品川キャンパス楽水会館鈴木善幸ホールにて、第5回国際環太平洋海洋教育者ネットワーク会議が開催され、山脇学園SIクラブ生物班を代表してW・Fさん(高2)が『東京ヘドロ浄化プロジェクト -鉄炭団子による底質環境改善-』をテーマにプレゼンテーションを行いました。アメリカやオーストラリア、インドネシアなど7カ国の出席者を前に堂々たる英語での発表でした。




同プロジェクトの発端は、昨年、生物班のメンバーが『使用済みの使い捨てカイロが土壌環境の改善に活用できる』という杉本幹夫氏(無有産研究所)の講演会を聴講したこと。「いつも捨てていたカイロが環境を良くするなんてすごいなと思いました」とWさん。そこで、その仕組みの解明や実用化に向けた検証を行うことになりました。

東京海洋大学の佐々木剛准教授の指導も受けながら、研究がスタート。同大学付近を流れる高浜運河、山脇学園近くの弁慶掘、同校の屋外実験場の田んぼの土壌を採取。「どれも相当臭かった」。水と混ぜてその中に使い捨てカイロで作った鉄炭団子を投入。「みんなで考えながら、鉄炭団子の量や時間を変えて検証しました。初めのうちは本当にきれいになるのかなと思いました」。

一週間おきに、パックテストというキットを使用し、PH(水素イオン濃度)、NO₂⁻(亜硝酸イオン)、NO₃⁻(硝酸イオン)、PO₄³⁻(リン酸イオン)の数値を測定。悪臭の原因となる硫化水素は測定器で計測しました。ところが、「数値の変化はほとんどみられませんでした。じゃあ、どうしたらいいんだろう? みんなで話し合って、機械がダメなら人間の嗅覚で測定してみよう。とりあえず嗅いでみようとなりました」。
そこで、また一週間おきに土壌の臭いをひたすら嗅いでみると
「臭いに変化がありました。すごく臭かったのが、そこまで臭いがしなくなったり、無臭になったり。長い時間取り組んできて、全然結果が出なかったので、とてもうれしかったです」。




そこで一つの疑問が。
「これまでは実際に採取した土壌で検証しましたが、硫化水素の水溶液そのものに直接入れたらどうなるんだろう?」。
鉄炭団子も丸のまま入れるか砕いて入れるか、さまざまな条件で実験を重ねました。
この実験の成果をまとめ、今年3月、東京海洋大学で行われた日本水圏環境教育研究会の湊地区生徒研究発表会にて報告。
今回の国際会議では、同内容を英語で発表するため、EIの先生の指導もあおぎました。「家でも家族に見てもらい、毎日一回は必ず練習していました。最初に母に見てもらったときは、母が途中で寝てしまったんですよ(笑)。だから、伝わるようにと心がけて練習しました」。Wさんが見せてくれた英文の原稿には単語の意味がびっしり書いてありました。
本番での落ち着いた振る舞い、またSIクラブの発表の場の多さから、緊張しなかったのでは? と感じましたが「すごく緊張して、終わった時にはとりあえずホッとしました」。

河川財団の河川整備基金より助成を受け取り組んだ同プログラムは追加実験を重ね、論文としてまとめる予定だそうです。「それに、壮大な計画があるんです。使い捨てカイロで浄化した土壌で、ヒシの実を育てようと。ヒシの実にはデンプンがたくさん含まれていますので、そのデンプンからバイオエタノールをつくれたらと思っています」。


濃度測定操作



Wさんは
「先輩も一緒に取り組んでいた時には、言われるがままにやっていたという感じでしたが、先輩が引退されて、自分が指示しなければならなくなり、先輩のありがたみを感じました。でも、後輩もすごくしっかりしていて、自分の意見を言ってくれて助かります。実験は、同じことを何回も繰り返す地道なもの。めんどくさいなと思うときもたまにありましたが、先輩や後輩たちとみんなで一緒にやっていたから続けられたと思います。英語でプレゼンするなんて滅多にない機会。それを経験させていただいたことも貴重な体験ですし、長期間にわたり一つのこと取り組んだことも、大きな財産になったと思います。引退まで、あと3カ月。後輩にどんどん率先してやってもらいたい。私が学んだことを引き継いでもらいたいと思います」と話していました。

指導したSIプロジェクト担当の佐伯知明先生は
「このプロジェクトは作業としてはすごく地道です。そこを上級生、下級生分け隔てなく、お互いに協力して取り組んでいました。また、実験の全体の概要を把握しながら、次のアクションを自分たちで考え、行動し、成果を挙げたという経験はとても大きかったと思います。今の世の中、答えの判っているものばかり優先されますが、答えがないものに取り組むのが本来の研究だということに気づいたのではないでしょうか。技術的な面では、物の取扱いが確実にうまくなりました。最近は不器用な生徒がものすごく多い。ですから、私はよく言うんです、料理の手伝いをしなさいと。料理というのは作り方を間違えると美味しくなくなってしまう。ほんの数分後かもしれないですが、近未来を予測して、そのためにどういう手順をしていったらいいのか。無駄を省く作業にもつながります。また、料理本のレシピも無駄なく誰もがきちんと実現できるように書いてある。これは報告書を表す時にすごくいい参考になります。限られた中で、衛生面、安全面を考えた上で、うまく段取りを踏んでやっていくためにはどうしたらいいか。料理は実験をする上でいい経験になります。また、今回の国際会議での発表は、自分たちが今いる環境を最大限に活かすということについて、生徒たちに気づきを与えることができたのではないでしょうか」と振り返りました。

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